2011/08/18

ルー・エドモンズのラテン風ロシア演歌 (Gulaguajira - レ・トリアボリー ク)

Les Triaboliques by StimpsonJCat
Les Triaboliques, a photo by StimpsonJCat on Flickr.

ね、言った通りでしょ。ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)すごかったでしょ。甘く見ていた人、反省してください。そう言ってるオラもルーのすごさに気づいたのは「ALiFE 2009」からなので、あまり大きなこと言えませんけど。

彼が出すノイズ・トーンは電気的でありながら、どこかアコースティックな響きを残しています。どうやらそれは、彼が複弦の楽器を好んで使うところからきているようです。

普通のギターだとひとつの音を出す弦は1本だけですが、2本隣接して弦を張りそれを同時に鳴らすようにしたものが複弦です。2本の弦が共鳴することで1本では出せないような複雑な音色を生み出します。マンドリンや12弦ギターが複弦の楽器として良く知られていますが、サズもそのひとつです。PiL のアルバム「Happy?」では所々に妙な響きのギターの音が散りばめられており、オラはずっとジョン・マッギーオ(John McGoech)の出す音だと思っていたのですが、実はルーの奏でる複弦だったことに最近やっと気づきました。

PiL で出してるようなルーのサウンド、もっと聴きたいという人も多いでしょう。彼は PiL 以外にも実にたくさんのバンドで演奏しているんですが、「PiL のライブで聴いたルーのサウンド」を期待して聴くと肩透かしをくらいます。いや、もちろん他のバンドでやっている演奏にも素晴らしいものは色々あるんですが、今の PiL で出してるようなサウンドではないんです。逆に言えば PiL の復活に参加することで、それまでにはなかったルー・エドモンズのサウンドが開花したとも言えます。

ひとつルーの別の面を紹介しましょう。レ・トリアボリーク(Les Triaboliques)と言って、ジャスティン・アダムズ(Justin Adams)、ベン・マンデルソン(Ben Mandelson)それにルーという普通の人はあまり知らない変なおじさん三人組です。三人で国籍不明の妙な音楽を作り出します。ビデオの曲「Gulaguajira」はラテン風味のロシア演歌みたいな曲で、ルーがヴォーカルを担当してます。

ここでルーが弾いてる楽器は一見バンジョーのようなんですが、良く見ると複弦で弦が12本、しかもフレットレスです。手製のオリジナル品のようです。同じ楽器を使って「Flowers of Romance」を演奏しているビデオもありますので、ぜひ聴き比べてみてください。

(2015/10/07追記)楽器の名前が判明しました。ジュンブシュ(cümbüs)っていうトルコの楽器だそうです

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