2003/09/27

オブリーク・ストラテジーズとは何か

straight strategy. by mrshawnliu
straight strategy., a photo by mrshawnliu on Flickr.

オブリーク・ストラテジーズ (Oblique Strategies) という一種のカード・ゲームがあります。これ、ゲームといってもトランプ遊びのようなものではなく、自分の行動や思考をゲーム化して遊ぶためのカードです。カードは約100枚で構成されており、各カードには短い文章や言葉が書かれています。その内容はたとえば次のようなものです。

Use 'unqualified' people (「不適任な」人を採用なさい)

別のカードには次のように書かれています。

Turn it upside down (裏返せ)

遊び方は簡単です。あなたはカードの中から一枚を引き、そこに書かれている内容を解釈し、その通りに考え、行動するのです。どんなときにカードを引くのか?それはあなた次第ですが、あなたが何かをしていて、行き詰まったとき、「ゲームを必要としているな」と感じたときなどです。カードの内容がどのような意味を持つのかは、カードを引く人と問題になっている対象、そのときの周囲の状況など諸々の条件に左右されます。カードに従うことで、ことの成り行きやあなた自身の変化を楽しむゲームです。

オブリーク・ストラテジーズに限ったことではありませんが、ゲームを楽しむ上で最も大切なのは大マジでやることです。風呂に入って、うがいをして、塩で清めて、白装束に着替え、気持を鎮めてから意を決して一枚のカードを引くというのも良いかもしれませんが、それだと状況が固定されてしまうため、変化のバリエーションが貧弱になってしまいます。ゲームを楽しむポイントは「カードを引くべきだ」と感じたそのとき、その状況で引く、大真面目に引いて実践することです。

このオブリーク・ストラテジーズ、元々は音楽家のブライアン・イーノと画家のピーター・シュミットが(音楽や絵の創作現場で)自分たちが遊ぶために作ったものですが、「おもしろいからほかの人にも使ってもらおう」と考えたらしく、1975年に一般向け販売が開始されました。その後1980年にピータ・シュミットは亡くなりましたが、イーノとその友人たちにより(非常にゆっくりとしたペースの)メンテナンスが続けられ、現在もイーノのお店で入手可能です。イーノ自身がオブリーク・ストラテジーズで遊ぶ様子は1995年の彼の日記 A year で読むことができます。またイーノ自身のものではありませんが、オブリーク・ストラテジーズ関連情報を網羅した Web サイトがあり、ここですべてのカード内容を参照することができます。PDF も用意されているので、それをダウンロードして自分でカードを作ることも可能です。

日本語版は一時リリースされていたようですが、残念ながら現在入手できないようです。仕方ないので先週自分用に4th Edition の内容を翻訳してみました。Web 上で公開していいかどうかをイーノに直接確認する術がないため、前述のOblique Strategies Web サイトを運営する Gregory Taylor さんにメールを送ってみたのですが、彼もわからないらしく返事がありません。よって日本語版は今のところここにも置いてません。でもまあ、非営利目的で個人的に送るということならかまわないはずなので、もし岩田版でかまわないから日本語バージョンが欲しいという人がいたら、メールで連絡ください。市販の名刺印刷用紙を使って印刷するための MS ワード形式のファイルもあります。

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